2010年7月29日木曜日

サザエの刺し身






サザエの刺し身とあったので「それを焼いて」
オープンキッチンの目の前のまな板に大きなサザエがごろんと出て来て、下処理を始めた。
「これだけ大きく身がしっかりしているサザエは最近珍しい」
サザエも高品質が不足しているようだ。
大きいだけでなく、殻が厚く重そうだ。
身がしっかりしていて、頑丈な食感。味が濃いね。
最後に残った肝ががっしり締まって美味いな〜〜!

仕上げににゅうめんか、ざるうどんといきたい所だが、先週から今週にかけて美味しいの食べ歩き、そのくせ運動不足で体重いの気になっていたので、今日は汁だけにしよう。
渥美半島の江比間産あさり汁。
ここは潮干狩りで有名な所。
殻からはみ出そうな大きなアサリの身が、赤ざし味噌汁の中にたっぷり。

ペンギン状態になってご馳走さんと店を出たら未だ青空だった。
駅前大通りを豊橋名物の市電がゴトゴト。
ホテル後ろの青空には三日月。
風がいくぶん涼しくなった。

2010年7月28日水曜日

茄子比べ




三河地方には特別な茄子があって、この時期美味いという。
持って来てもらったら、スイカを瓢箪型にしたみたいだ。
ずしりと重い。
名前聞いたが忘れた。
これを普通は焼き茄子にするというので、とにかく頼んだ。

夏は水茄子で、刺し身がいいが、これもある。
茄子食べ比べ。

でかい方の焼き茄子は、普通の焼き茄子だった。
水茄子の刺し身は、冷たくしゃっきり、さくさくとはに心地よく、真夏の暑さを忘れさせてくれる。
軍配は水茄子だった。

2010年7月27日火曜日

初物マツタケ



札幌で夏満喫。
新千歳空港からまっすぐ名古屋中部空港に直行。
豊橋行くのに名鉄で名古屋経由してと窓口に行ったら「特別車両」というのがあり、聞いたらプラス350円、安い!
走り始めて車掌に聞いたら、豊橋に行くには名古屋の手前「神宮前駅」で乗換えた方が便利だという。これにも特別車両がある。
神宮前駅で降りたら熱風。
そうだよな、涼しい東北札幌に一週間から、いきなりとんでもない暑さになった東海地方に入ったんだから。

豊橋は、海に広大な埋め立て地を造り、どういう政治力で可能になったのか知らないが自動車の輸出入の基地にした。多くの高級輸入車はここを通り、BMWだったか欧州車の日本本社はここにある。
海沿いの広大な地域には、BMW、ボルボ、ベンツといった車置き場が広がり、その中にスズキなどの軽トラックの輸出エリアも同居している。

豊橋には2時間に1本「ひかり」が停まる。新横浜を出たら豊橋まで停まらないので「のぞみ」なみのスピードで行ける。そのためか「ひかり」で豊橋で降りる客はかなり多く、外国のビジネスマン風の人も時々見られる。ちょっと面白い町だ。

豊橋で泊まるのはいつも駅前の「ホテルアークリッシュ」だが、ここも自動車輸出入基地を造った地元の実業家がやっている。

最上階の16階にフロントがあり、そこから宿泊者専用エレベーターで下に降りる。静かでおしゃれで気持ち良い所も含めて、新宿パークハイアットのミニミニ版といったところ。
朝食時間にはドイツ語が飛び交っていたりする。
豊橋に泊まるならお勧め。

シャワー浴びて、メールチェックし、原稿一つ書いたらちょうど5時。
このホテルのレストランは、朝食が素晴らしいので楽しみだが、夕食は食べたことないので今夕はどうかと見たら6時半からとなっている。腹減って咽乾いてそんなに待ったら熱中症になりそうなので、5時からやってるいつもの居酒屋「げん屋」に熱風の中を走り込んだ。

今日のお勧めはと見たら、なんとも早く「ハモとマツタケの土瓶蒸し」がある。先週から出たそうだ。こんなに早いのと居酒屋価格なのでマツタケはもちろん中国産。
札幌で新子に出会ったし、今年の夏は初物についてるな。

2010年7月25日日曜日

新子5匹付け






札幌行ったら寄らないと気が済まない「豊寿司

札幌一小さくて、札幌一美味しい、んじゃないかな?
本物の天然ホタテはしゃきしゃきと野菜のような不思議な食感があるが、それが出て来た。数年前の10月、岡山でこれを初めて食べたが、岡山辺りなのか瀬戸内海なのか「これは10月しか捕れない」捕ってはならない、と決まっているといっていた。それに札幌で出会ったわけだ。

大きなアワビが出て来た。溝が入り切り身になっている。一人分じゃないよ、皆で分けあうんだよ!

イカとコロが一緒に出て来た。
このコロ、倶舎じゃなくて、コロンとした食感なんだからたまらない。

初物、新子だ。
これはコハダの出始めの小さいの。魚河岸でこれが出て来ると夏なんだけど、最初のヤツは相場がとんでもなく高いので、相場が下がってからの新子が仕入れの常識。
こんなに小さい魚に金をかけて、開くのに手間かけて、何でこんなの食べるんだろうと不思議だが、江戸っ子は初ガツオにとんでもない金を払ったというから、同じ感覚なんだろうな。
小さいから、握り1カンに5匹付け。

この店の漬けがまた美味いんだな。
しっとりした赤身に薄味がじんわり。

店を出たら、道路を閉鎖して屋台街になってた。
札幌夏の風物だな。
こんなに屋台が出てて、皆ビールたくさん飲んでて、トイレどうすんのかな?

2010年7月22日木曜日

バベットの晩餐とウズラ



札幌のセミナーが終わってから2日後に豊橋で、東京帰るの面倒くさいから札幌でサボり。
暇なので映画は無いかと探して、美味しいものは人を幸福にするというテーマを扱った映画「バベットの晩餐」を観た。
この映画はパリで最高の女性シェフが革命で旦那と子供を失い、デンマーク辺境の村に逃げてくる所から始まる。
後半料理の部分でウミガメなどの高級食材と一緒にウズラが登場。
頭付きのウズラを開き、中にフォアグラとトリュフを詰めてとじ込め、ローストする。
見ているだけでよだれが出て、ため息が観衆のあちこちから漏れる。
最近の超スピードで騒音バンバンの映画と比べると、こういうしっとりとした昔の映画はいいねえ。

なかなか暮れない夏の北国の宵、美味しいフレンチを出してくれるモンペールへ。

ここは旦那が寡黙に料理をし、ママが親切フレンドリーなサービスに努める。
ママが「今日はフランス直送の生のウズラがあります」
何というタイミングの良さ。飛び付いた。

料理する前に皿に乗せて持って来てくれたのは、映画と同じスタイルの頭付き。
頭は毛をむしらないまま。
パリ郊外のランジス市場の中にポートリー〔鳥類〕棟があり、雉、ウズラ、アヒル、ジビエの季節にはイノシシも集まっているが、高級な鳥類は皆毛をむしっていない頭付き。
フランスでは高級な鳥はこうするみたいだ。

出て来たウズラのローストは脚を上に上げ、奇っ怪というかユーモラスな状態。
横に丸いコロッケが添えられていて、潰したらフォアグラが入っている。
フォアグラコロッケの中身をソース代わりに付けて、ウズラを食べるわけだ。
映画に近いな。さすが!

2010年7月20日火曜日

ワイン飲み比べ



会津若松の後、野辺地に行く予定だったのが変更になり、東京に帰っても一泊してすぐ出ることになるので、面倒くさい、東京の混雑嫌い、という理屈をつけて、一日早く札幌に行ってゆっくりすることにした。

会津で仕事終了が12時で、福島空港までバスはあるのだが、待ち時間が悪く面倒くさいなと思いつつ駅まで車で送ってもらう途中トヨタレンタカーがあるのを聞き「そこで落としてください」
小型車借りて、福島空港までのんびり2時間のドライブ。
早く着き過ぎで時間たっぷりなので、原稿書いてしまおうと探したら、机と電源があるフリーコーナーを見付けた。
こういう所、地方の空港はいいね。まあしかし赤字だろうな。空港内ガラガラ。途中空港公園なんてのがあっても無人状態のようだ。

札幌までのフライトはがら空き。
新千歳着いたのが7時前。
今晩は久しぶりに薄野のビストロに行こうと、これまたずいぶん久しぶりにバスにした。バスだと店のすぐ近くに停まるのだ。

約1時間で、薄野停留所着。
いそいそと「カフェドランス」へ。
カフェドランス 011-251-7757 南2西3

やあ久しぶりとママに挨拶してメニューを見たら、ワイン飲み比べがあった。
北海道三笠市と岩見沢市産の二つを並べて出してくれる。

2010年7月15日木曜日

鱧の肝




鱧〔ハモ〕の季節は夏。

吉祥寺のハモニカ横丁にある魚屋で鱧一匹丸ごと下処理してもらったのを買ってきた。
東京の魚屋はハモの骨切りになれていないので「なるべく細かく」と注文。
その一匹セットに肝が入ってきた。

鱧の、肝?
初めてだ。
見た所タラの白子のよう。
味は、フグの白子のよう。
つまりは素晴らしい。
今まで散々鱧食べてきたけど、肝は初めてだ。

鱧の頭、骨、尻尾は、味噌汁にしたら、出汁出て最高。
昔鱧のことを知らない頃、鱧をボイルした煮汁を捨てて「なんというもったいないことを」としかられたこと思い出した。

2010年7月14日水曜日

柚子コショウとイベリコ豚の豚トロ





「あの店行ったらもらってきてくれる」とわがままなお願いを九州飯塚の食品工場の方にしていた。
そのねだっていた飯塚「むつごろう」の柚子コショウが到着。
冷蔵で運ばれてきた箱を開けたら、瓶がいとおしく出て来た。
この柚子コショウは店の手作りで、荒々しくグラインドミックスしてあり、野性的な美味さ。

そんな所に「イベリコ豚の豚トロがあった〜〜」と今晩のメインがやってきた。
豚トロは焼き肉屋で言えばハラミの豚肉版、カルビの豚版といった方がいいかな。

豚トロをフライパンで焼き、皿にたっぷりの柚子コショウと一緒に盛付け、豚トロ半分にカットして、柚子コショウ乗っけて口に入れると、トロトロの脂と柚子コショウが妖艶に絡まりあった。

フライパンに残っている豚トロの脂を熱くして、キャベツをシャキッと炒めた。
脂の一滴まで美味しく食べられるね。

2010年7月13日火曜日

岩牡蛎のフライ


米沢の「志乃」で大将が「時化で魚があがらなくって……」
そう、北海道を除く日本中で梅雨の時化、嵐が続いている。
しかし、山形県の海側の夏の名物、岩牡蛎は大丈夫。
夏牡蛎とも言っている。
これは酒田とか鶴岡辺りでたくさんあがる。

「岩牡蛎のフライです」
でっかい牡蛎フライが出て来た。
岩牡蛎をフライにするなんて! なんと乱暴な、素敵なことを考えるんだろうか!

箸で持ったら、石みたいにずっしり思い。
端っこにガブリとかみついたら、白濁したミルクが歯の回りに飛び散り、あふれた滴がアゴを伝ってテーブルに落ちた。

2010年7月9日金曜日

狩場焼き


こんな名前だったような気がするが、小料理屋で牛肉のメニューがある。
狩猟に行った先で捕えた獲物をちょっと漬け込んで獣臭を消して軟らかくしてから焼く、といったところかな。
少しだけ漬け込んだ赤身の牛肉のサーロイン〔ショートロイン〕は、厚さ1センチちょっとにきっぱりカットしてある。
付け合わせはレタスにトマトにポテトサラダと、町の洋食店風。
ついている和辛子が和食店のステーキらしい。
香り程度の薄味のステーキ、野生の肉をソフトに仕上げたようだ。

2010年7月8日木曜日

鯨のベーコン


捕鯨やイルカの映画でもめ続けているが、鯨のベーコンは美味い。
子供の頃、魚屋でブロックで豪快に安く売っていたが、今では高嶺の花。
ある時四国でずいぶん安く売っていたので小型の箱一つ分買ってきたが、帰って食べたら硬くてジューシーじゃなくて美味しくなかった。
やっぱり安いのダメだな。

「ふじ本」で出て来たベーコン、大きくて、ふくよかで、ぷりぷりしていて、最高。

2010年7月7日水曜日

いさきの皮


松江から博多まで、鈍足特急から岡山乗り継ぎ「のぞみ」で4時間半。
国内ではかなり長い移動だが、伯備線が面白いので、もう着いたといったところ。
シャワーを浴び、咽乾かせてホテル向かいのいつもの「ふじ本」へ。

ガラッと入って行ったら、最近中大将から格上げになった大将「しばらく」といいながら、どうしようといった顔。
早めだから大丈夫だと予約しなかったのだが、この日は予約で完全満席だったのだ。
え〜〜〜と、それではそこに、ということで、カウンターの角にちょっと座らせてもらった。

「今日の魚は?」と聞くと「いさきがあります」
夏が美味しい魚だな。
皮側をさっと湯通ししてあり、身は白身の半透明。
皮も食べさせてくれるの、うれしいねえ。
ビールを芋焼酎のロックに替えてやり出した。

2010年7月6日火曜日

分水嶺の駅



松江を昼に出て、伯備線で岡山経由博多まで。
出雲空港から福岡空港まではSAAB製の30人ばかり乗れるプロペラ機があるが、時間が合わず、のんびり地べた旅。
鳥取県から岡山県の境近く、伯備線の上石見駅は分水嶺の駅だと車内アナウンス。
特急は停まらないで通過し、そのあとに入るトンネルを境に、川の流れが逆になる。
今までは列車と反対に流れていたが、トンネル過ぎたら列車の進行方法に流れ出した。
最初は小さな流れだが、次第に大きくなって行く。
小川が川になり、河になり、大きな町になったと思ったら倉敷。
この列車、特急でものんびり走るので、景色がたっぷり楽しめる。ただ、この列車は連結部分の構造だかでよく揺れるので、原稿書いたりするには不向きだ。一度知らないで書いていたら気持ち悪くなってやめた。車酔いする人は車両中央の席に座ったらいい。

鈍足特急伯備線。

2010年7月5日月曜日

うな茶


夏の料理の代表の一つ、ウナギの蒲焼き。
「仕上げは夏に凝ってみました」と大将。
焼くのではなく、仕上げに茶漬けで出て来た。
焼いてからスープで煮て、スープごとご飯の上にかけてある。
こりゃー元気になるな。

2010年7月1日木曜日

天然鮎の食べ方


鮎の天然物は頭の先、口の方が尖っていて、どう猛な顔をしている。
天然物はあまり捕れなくて、今朝の松江市場に出たのは数匹だけだったそうで、それを全部仕入れてきたと大将。

京都の料亭などではお姐さんが身からきれいに骨を抜き出してくれるが、そんなとこ行ったらいくらとられるか分からない。
私の場合は、行儀悪いが手で頭側を掴んで持ち、塩がたっぷりついている尻尾の先を外したあとから本体に向かって骨ごとガリガリ食べる。
これは秋田でのハタハタの食べ方と同じ。
尻尾から齧って行くと骨が口の中に刺さらないで安全に食べられる。
とはいっても慎重にゆっくりとかんで行く。
そうすると、最初は歯に当たっていた骨が次第に細かくなり、すりつぶされて身と一緒になり、濃厚な味が出てくる。
貴重な天然鮎はこうして食べなくっちゃ。
そんなことしているうちに、いつの間にか骨ごと鮎はきれいに腹の中に消えて行ってしまう。
そこでもう一口。
次第に頭に近づいて行く。
最後に頭の目の上の部分を齧り取って、おしまい。
さらには頭の一部が残っただけ。
ああ、美味かった!