2009年5月29日金曜日

焼き飯のスープづけ





米沢牛と岩手牛を食べ比べ、仕上げは焼き飯。
鉄板の上で焼き始めたが、一部をつ煎餅のようにつぶしだした。
ご飯茶碗に、ふっくらと出来た焼き飯を入れ、その上に煎餅状態の焼き飯を乗せた。
年季が入った南部鉄瓶でスープらしきものを茶漬けのように入れた。
鉄瓶の中は鶏のスープ。
スープは焼き飯煎餅の下までしか入れない。
焼き飯煎餅が鶏スープづけになった下の焼き飯の上に浮く。

焼き飯煎餅を箸で取り上げてかじると、パリッといい食感。
そして下の鶏スープづけを、さらさらと。
ああ! 腹が落ち着く。

2009年5月28日木曜日

米沢牛と岩手牛食べ比べ






米沢牛の生産、カットとパック、レストランを行っている米沢の会社から4名が、東京開催のHACCPの三日間セミナーに来た。
そこで、自社の牛肉を卸している鉄板焼きレストランに行くことになった。
築地鉄板焼 Kurosawa

ここは黒澤明監督が関係している店で、築地の一画に突然築82年の建物が現れる、ノスタルジックな空間だ。
どうせ行くならと、私の提案で、店で最高額の米沢牛と、もう一つの岩手牛を食べ比べてみようということになった。
生産地から来てくれたということなのか、特別にフォアグラをつけてくれ、ねっとり感を味わっているところに、食べ比べ2ブランドの牛肉が出て来た。

米沢に比べ、岩手は大形だ。元々米沢牛は一般の和牛より小さめの牛が多いようで、サーロインの切り身も多少小形が多いようだ。
米沢牛は、サシが多すぎて脂肪だらけといった和牛とは違い、サシが細かく、赤身とサシのバランスが適度で、和牛なのにさっぱりと食べられる。
二つのブランドを並べてみると、この違いがはっきり分かる。
牛肉で大事な熟成は、どちらも工夫しているようだ。
どんな熟成状態か、全員生の状態で香りを確かめる。
そして焼いたのを三切れずつそれぞれの皿に置かれたのを食べ比べてみると、この違いがそのまま味に現れている。

どちらがいいかって? それは好みでしょう。
この日の皆さんの軍配は、自分の産地という偏見と、価格からいって、もちろん米沢でした。(岩手牛さんごめんなさい)
米沢からの皆さん、自分たちが作った牛肉を埜瀬シェフが丁寧に焼いてくれているので感激。

2009年5月27日水曜日

絹さや



「最近農業やってます」と、仕事はしているが、自宅農園で野菜を作っている方から絹さやが送られてきた。
サヤエンドウは色と大きさでいろいろな料理に使われるが、別に味が特徴的でもないしましては感動とはほど遠い。
送られてきた絹さやを開けたとたん「これは違う」とびっくりしたのは家人。
早速ただ炒めただけで出て来たのを見たら、太った豆が入っている。
豆と言うより小さなビー玉みたいなのがつややかな皮を破りそうだ。
囓ったら、堅めに炒めた豆が皮の下でぱりんと割れ、実が口の中で弾け飛んだ。

今日は丸々としたのが仕上げにもう一つ出て来た。
春アサリの汁。
大きく空いた殻から身があふれている。
こんな大きなのなのがよく入っていたもんだ。窮屈じゃないのかな。
身を取り出して横から見たら、厚い身と言うよりフットボール。

2009年5月26日火曜日

焼き鳥


ある食品メーカーのトップの方が、焼き鳥の開発をするのでどうしたらいいかと聞いてきた。
こういうときはアーダコーダとやるのではなく、黙っておいしい店に行くことだ。
早速、我が愛する吉祥寺の居酒屋「玉秩父

行くのに、吉祥寺駅中央口改札に5時5分前。
時間通りに会えれば、そのまま歩いて2分の店へ。
到着の理想は開店の5時ジャスト。
遅れるとあっという間にいっぱいになることがあるから。
開店時間とはいっても、古くから通っている我々客が勝手に決めているだけだけど……

ここの鰹の刺身は横綱級。この店の大将元力士だからかな?
これに空豆。
そしてビール。
これが私の3点セットで、何も言わないで出て来るようになっている。
何しろ通い始めて25年ほどになる、四半世紀だ……

ある俳優夫婦が結婚30年になり,奥様の方が言った,
「あなた、私たち,30年よ」
旦那は言った,
「お前,ずいぶん長いこと、この家に居るな〜!」

さて、ここの焼き鳥が旨い。
鶏肉もいいが、繊細微妙な焼き方がいつも最高。
もちろん塩で炭火焼き。
炭火がいいのは、遠火の強火、なおかつ遠赤外線。
ネギがまたいい。
家への罪滅ぼしのお土産にも最適。

このメーカーのトップ、焼き鳥の商品開発、うまくいくかな?

2009年5月24日日曜日

タケノコ握り



全国セミナーが大阪から始まった。
今年は、大阪、名古屋、博多、帯広、札幌、仙台、東京と、毎年のようにその都市のいい時期に、つまりはおいしいものがある時季にやる。
大阪セミナーが終わったあとは、いつも「磯一」江坂店

ここは旬の魚や野菜が安く食べられるので、宴会にはうってつけ。
今日のお薦めはと見たら、野菜がやっぱり豊か。

タケノコの握り寿司は、しゃっきり軟らかいタケノコが大きくカットされ、舎利少なめの、飲んべえにはうれしいバランス。
紫蘇の葉が乗せてあり、そのまま口に放り込む。
へえ〜〜〜! こんな寿司初めてだ、とっても魅力的ヘルシー。

次は水茄子の刺身。
茄子が薄切りにスライスされている。
皮の表面が冷えて汗をかいている。
茄子の肉はきめが細かい。
こういうのは箸じゃなく、指でつまんで、醤油をちょっと付け、パリッと食べるんだ。
新鮮な茄子は、おじさんたちの邪悪な腹の中を洗ってくれるようだ。

2009年5月22日金曜日

ねぎま




桑名でいつも行く寿司割烹「ICHIZUSHI」は、若いオーナーシェフが張り切っているところ。

久しぶりで、どうなっているかと「今日のお薦めは?」と聞いたら「ねぎまはどうですか?」

鮪を角切りにして、ネギと交互に串刺しし、タレ焼き。
鮪は軟らかく焼けていて、一切れずつワサビを乗せてある。
ネギがいい! 太く力強いのが、ミディアムレアに焼けている。
この焼き具合だと、ネギの香りと辛さがたっぷり残っていて、ちょっと刺激的。
いいねえ、こういう料理。

シャコを頼んだら、ゼラチン状にしたさっぱりタレが付いてきた。
大きなシャコを指でつまみ、ゼラチンタレをのせてパクリ。

仕上げはなんと画期的、ラーメンにした。
これはラーメンと呼ぶより、古風に支那そば。

2009年5月20日水曜日

刀削麺






横浜で二日間のセミナー。
家には1時間20分ほどで帰れるが、終了翌日桑名に行くと、屁理屈を付けて泊まる。
最初の晩は横浜の食品施設デザインが設立一周年なので、そのお祝い会食を、オーガニックのおいしい野菜を中心に、魚、肉料理を出してくれる「デビス」で。

2日目の晩は一人なので、中華街。
表通りから路地に入り、その先更に細い路地に入ると、小さな店がいくつかある。
ピーク時にはいっぱいでならんでいることも多い刀削麺の店は、夕方早い時間まだ空いていて、ゆっくりぐずぐず食べられる。

まずは豚の耳。
辛い味付けで、生ビールはあっという間になくなり、紹興酒。
ここの紹興酒は小さなお一人様用の素焼きの壺に入っている。
こういうの、いいねえ。

ころっと焼き上がった餃子をかじりながら、紹興酒もう一本頼み、仕上げの刀削麺を頼む。
牛のアキレスとか唐辛子とかいろいろなのがあるが、今日は野菜中心の刀削麺。
待ってましたとシェフは冷蔵庫から練った3キロほどはありそうな麺の具を出し、肩に担ぐようにしてからナイフを取り出した。
ナイフは円盤状になっていて、これで具の表面をそぐように切ると、切り出された麺がふわっと飛び、ぐらぐら煮立つ大きな鍋に吸い込まれていく。
適量が鍋に入り、茹だったところをザルであげ、ざっと洗って丼に入れ、別の鍋で調理したスープを入れる。

出て来た丼には、野菜と茸がたっぷり。
中にレンゲを入れてひっくり返してみると、断面が飛行機の翼型のようになった太い麺がどうだとばかりに出て来た。
野菜はシャキシャキ、麺はしこしこ密度たっぷり。

2009年5月19日火曜日

ゼンマイの牛肉巻き



野菜を牛肉で巻いたのが出て来た。
ちょっと見れば、どこにでもある料理だが、この店、びっくりの料理がどんどん出て来るのでどこが違うのか、とりあえず食べてみた。

サシが適度に入った牛肉と、中の山菜が実に素晴らしいコンビだ。
山菜はゼンマイで、出始めではなく、時季が中期過ぎといったところだろうか、山菜のぬるぬる感が出た熟成状態。
このぬるぬる山菜とサシ入り牛肉がぴったりなのだ。
そこにご主人登場し「この素晴らしい山菜に合わせて牛肉を使ったんです」

なるほど、考え型が逆だな。山菜のことを考えたら、牛肉が出て来たわけだ。
さすが野草料理。

今日の仕上げは紫蘇ご飯。
紫蘇と葉をご飯にまぶして軽く混ぜると紫蘇の香りがご飯の蒸気で膨らむ。
鰯を一匹かじりながらの紫蘇香一杯のご飯をハフハフ。

2009年5月18日月曜日

ワカメの土瓶蒸し



甘鯛のフィレの皮側にさっと焦げ目を付けてから切り身にした刺身が、フルーツソースの上に乗って出て来た。
洋風の香りがちょびっとの刺身だな。フレンチの日本版か。

土瓶蒸しが出て来たが、中身はワカメ。ワカメの土瓶蒸しだ。
このシンプルさっぱりの土瓶蒸しに、小さな小皿が付いている。
小さな長い三角形のは、なまこの卵巣で作った超珍味、このこ。
それに山椒の葉。
土瓶蒸しの下に、滑り止めで笹の葉が敷いてある。

ワカメのスープに山椒の葉で風味をちょっと付け、このこをかじりながら楽しむわけだ。芸が細かいねー。

2009年5月15日金曜日

イワナの骨焼き



サーロインとスネでは全然肉質が違うので、調理もグリルと煮込みで全く違ってくるように、魚でもうるさくいえば同じだ。
鮪のように大きな魚なら部位別に分けるが、鰯みたいに小さい魚なら丸焼きにするのが当たり前。

京都は銀閣寺山門前にタクシーで降りた。
さっきまで雨が降っていたようで、湿った空気が林から滑り出ている。
こんなのも京都の香りのおもしろさだな。

店にガラッと入り、手の込んだ八寸を一つ一つ味わったあとしばらくしてイワナが出て来た。
この店はこういった貴重な魚は部位別に一番おいしく調理してくれる。

頭は骨の中まで食べられるよう、おくどさんでカリカリに焼いてある。
本体は表面パリッで中ジューシー。ミディアム程度。
尻尾はひれがパリッと割れるように、多分おくどさんの脇で焼いたのだろう。
本体の骨は抜き出してから、やはりぱりぱり煎餅のように焼いてある。
それに、鯉の鱗を飴煮してある。
この鱗、不思議にパリッとしているが、軽く揚げるなり焼くなりしてから煮てあるのかもしれない。
これだけ緻密に調理してくれるなんて、イワナもうれしいかな。

2009年5月14日木曜日

アスパラの皮スープ




「ドイツからの直送です」と、ホワイトアスパラを頂いた。
がっしりとたくましく、土の力が詰まっているようだ。
ヨーロッパの初夏が体にしみこんで来た。

このアスパラ、あまりにも素晴らしいので、皮をスープに。

むいた皮を水にさらしておき、アスパラ本体を煮た煮汁で煮込み、ミキサーにかけ、塩こしょう、ミルク、クリームなどで味を付け、パセリを散らした。
腰のしっかりしたたくましいスープだ。
肉でも魚でも、皮と身の間が美味いが、このアスパラも同じだ。
アスパラも皮も「どうだ!」とばかりに胸を張ってるな。

2009年5月13日水曜日

ローストポークのグリル


ぐるめくにひろ」から生ハムと一緒に送ってきてくれたローストポーク。
どう食べようか。

スライスしてそのままサンドイッチ。
スライスしてそのままワインのつまみ。
どれもいいが、焼いてみようか。

厚さが問題だな。
厚さによって味が変わるから。

厚切り、中切り、薄切り、それぞれやってみようか。
7ミリ、5ミリ、3ミリでいこうか。

一番おいしかったのは、やっぱり厚切りだった。
しかし、元々おいしいのを、更においしく食べる方法を探すなんて……

2009年5月12日火曜日

今年の生ハム


ぐるめくにひろ」から、今年の生ハムが届いた。

毎年どんな出来か送ってきてくれる。
年々良くなってくるが、このところ良い出来が安定してきたようだ。
安定、ということは、ばらつきが無く、おいしいのがいつも出来るようになった、ということ。
落ち着いたおいしい生ハムだ。

生ハムにもいろいろな食べ方がある。
ドイツパンのスライスをちょっとだけトーストして麦の香りを出し、
サラダ菜を敷き、
アボガドとゆで卵を入れたポテトサラダをたっぷりと乗っけ、
この生ハムをドサッと乱暴に乗っけ、
もう1枚のパンで挟む。

うわ〜〜〜! すごいボリュームの生ハムサンド。
大口開けて、齧り付く。

これ、日曜日のブランチ。

2009年5月11日月曜日

鯛でウニ包み






日本海の大きな鯛が姿焼きで出て来た。
しかし何か違うのでよく見たら、身に黄色の肉が挟まっている。
ウニを挟んで焼いているのだ。
鯛のウニスタッフィング焼き!
こうすると、ウニがねっとりとなる。

身を全部食べたらきれいな骨格がでた。
これからが面白いんだよねー。
まずは頭の取り合いだが、私は黙って唇。
ちょっとしかないけど、ここはゼラチンの塊。

この後、伊勢エビ、牛肉、蟹の甲羅焼きと、竜宮城の宴会。
仕上げは腹に優しいミニ天ぷら蕎麦。

2009年5月8日金曜日

米沢牛懐石






米沢牛を使った和風懐石が米沢の金剛閣で始まった。

これは、金剛閣を経営する米沢牛黄木のやはり同じグループで、米沢湯ノ沢温泉の「時の宿すみれ」で従来から出している米沢牛懐石を値頃にコンパクトにしたメニューだ。

山形の山菜などを組み合わせ、サーロインやヒレだけでなく、タン、センマイ、モモ、テールなど、多くの部位を少量ずつ使った、おなかに優しいヘルシー型牛肉料理だ。
メニューは毎月変わる。
米沢はNHKの大河ドラマで行く人も多いようだ。
時間があったら是非どうぞ。

2009年5月5日火曜日

ゴールデンウィークの餃子





私が南イタリア行くのを残念ながらやめたのを知った「ぎょうざの丸岡」の上田さんが、暇だろうと(憐れんで?)餃子を送ってくれた。
ただ単に送ってくれたとは言っても、この餃子、常に受注量をあふれていて、すぐには手に入らない「幻」の餃子だ。
ラベル表示を見れば分かるが、全くの無添加で、原材料はすべて高品質。
以前従業員が社長に「いつものニンニクが不足して手に入らなくなったりしたらどうするんですか?」と聞いたら、社長は「そんなら餃子作るな!」
頑固なこだわり、うれしいね〜!
そして、これが生のチルド流通なのだ。
今回頂いたのは、5/1九州宮崎県都城を出荷し、東京着は5/3で、賞味期限は5/4まで。
生でこんなことが出来るのは、工場の衛生管理がしっかり出来ている証拠だ。
工場内をクリーンにし、よい原材料を使い、従事者の衛生管理をしっかりするしかない。CCPでとどめを刺すのではなく、すべて一般的衛生管理で管理しているわけだ。
注文するにはホームページで出来るが、待たなければならないことが多いようだ。
工場内の動画紹介もあるので、食品工場関係者は是非一見を。
では、上田さん、いただきま〜〜〜す!

2009年5月1日金曜日

稚鮎の天ぷら





私の母方のおじいさんは、天皇陛下のお召し列車の仕事をしていた、と聞いたので、運転手でもしていたのかと思ったら、修理係だった。ガクッ
更にそのおじいさんだかが、神田ニコライ堂を造ったと聞いたので、位は何かと聞いたら、足軽だったらしいという。ガクッ
どちらもトップじゃなかった。
しかししばらくしたら「間違えていた、ニコライ堂の建設には棟梁が3人いて、そのうちの一人」
それはうれしい。

先日ニコライ堂に行き、記録があるのか聞いたら、86歳のおばあちゃん司祭がにこやかに出て来て、調べてくれるという。
数日後電話があり、ニコライ堂内での記録には残っていないが、もうすぐニコライ堂に関する30巻の本が出版されるので、そこにあるかもしれないという。
こんな本買えないが、図書館に出て来たら見てみようか。

ニコライ堂を出て、近くの山の上ホテルの天ぷらに行き、今日のお薦めはと聞いたら、稚鮎がある。
この店にはいつもびっくりさせられるが、稚鮎が胸、腹びれを広げて、泳いでいるように揚がってきた。
衣を透き通して、つぶらな瞳がこっちを見ている……

前回感動したサヨリの天ぷらもまだあって、桜付きで盛り付けてきた。あと二ヶ月ぐらいあるようだ。
そして空豆の天ぷら。
この店、いつ来ても素晴らしい。