2009年2月26日木曜日

わら納豆





朝のテレビニュースを見ていたら、わら納豆の紹介をしていた。
3日ほどしてメーカーのホームページを見たら、案の定1ヶ月待ち。
あきらめていたら、こだわりのおいしいもの通販をやっている「築地倶楽部」に別のメーカーのがあったので、注文。
500円ほど。
高いけど,これつくるのには時間と手間がたっぷりかかるから当然だろう。

一般の納豆は、蒸煮した大豆に納豆菌を噴霧し、容器に入れてから熟成させて造る。
しかし元々は藁(わら)にくるみ、天然の納豆菌で作る

到着したわら納豆を開けたら、頑丈そうな納豆がみっちりと詰まっている。
醤油をかけてよくかき混ぜる。
北大路廬山人は「300回混ぜろ」と書いていた。
ねっとりとろとろになった所を,温かいご飯の上に乗せ,ゴッポリとほおばった。
子供の頃食べた納豆だった。
本物の納豆に合わせて,今朝は純和風のメニュー。
山芋の漬け物。
濃厚風味のほうれん草に粉だしかけ。
ジャガイモの味噌汁に四万十川の海苔乗せ。

2009年2月23日月曜日

ハマグリの天ぷら




お茶の水山の上ホテルの天ぷらは、とんでもないのが出て来る。
ハマグリの天ぷらが出て来た。
海苔でハマグリ全部をくるんで揚げている。
中は半生状態。
食べたらとろり天国。
日本の料理だなー!

米国カリフォルニア州は飲食施設の衛生管理がうるさくて、冷蔵でもなく、75℃以上の加熱でもない、この様な中途半端な加熱をした料理を出していたら、すぐ12点の減点だ。

しかしここは日本。
こういう調理、うれしいねー!

この店は衛生管理がしっかりしているし、食材も最高鮮度だから問題無いが、そうでない店はやってはいけません。しっかり加熱すること。

季節を告げるサヨリの握り寿司を頼んだ。
ぴんぴん、透明なサヨリが光っている。
二人で一皿すぐに無くなり「おかわり!」
仕上げは今日も天茶。

2009年2月20日金曜日

江戸の鳥スキ






神田の一角に戦災を免れたところがあり、アンコウ鍋、藪(蕎麦)などの老舗が固まっている。
そのうちの1軒に鶏肉のすき焼き「ぼたん」がある。

ビルの谷間に突然現れる戦前の建物。
タイムスリップしたようだ。
木造の大型家屋の門に「鳥」の電気式あんどん。
玄関を入ると、履き物番のおじさん。

座敷には、ちゃぶ台。
ちょうど良い状態に熾きた炭火コンロ。
銅の台に乗っている。
小さな鉄鍋。

江戸が、そっくりそのまま。

飲み物の注文を聞いただけで、すぐに鳥鍋セットが来た。
内臓、ミンチも含めたセットが二人分、二皿。
出汁を鉄鍋に入れ、早速煮始める。

この鶏は味が濃い。
ミンチは包丁でたたいてあるので、たくましい食感。
出汁の味がしみこんでいく。
よく噛むと味がさらに出て来る。

半年キープしてくれるからと、焼酎一本入れたが、二人で全部飲んでしまった。
「誰がそんなに飲んだんだ!」とお互い毒づきながら、すっかり満足して、食事に入る。

ご飯は木のおひつで来た。
やっぱりここは江戸だ。
鍋に少し残して置いたのは、じっくりと味が浸みついている。
それをレンゲで少し盛ったご飯に放り込み、がつがつとかっ込む。
もう一杯、そしてもう一杯。
もうやめないとダイエット問題になるからと、しかし最後にもう一杯。

腹いっぱい、反っくり返り状態で外に出たら、江戸が優しく光っていた。

2009年2月19日木曜日

トリミング昆布






うね乃」で買った鮪節の「粉だし」を、豆腐とほうれん草のおひたしにはらりとかけて食べてみた。
この瓶の中には小さなスプーンが入っているので便利だ、親切だな。

豆腐もほうれん草もひと味もふた味もすばらしくなった。
たったこれだけで素材のおいしさをたっぷり活かしてくれるなんて、うれしいね。

あるとき、豆腐工場の社長が「ウチの豆腐はおいしいから、何も付けないで食べてください」と言っていた。確かにそうだな。
粉だしかけて食べているの見たら怒るだろうな。
社長、勘弁してください。

昆布をカットして出て来るトリミング、端っこの小さな破片を袋詰めにしたのも買ってきた。
「うね乃」の鰹節は、農水省のコンテストで昨年優勝したという。
指宿市山川町産だ。今度見に行かなくっちゃ。
この賞は5年に一度やるだけというので、あと4年近く「日本一」が続きますと、釆野社長。
その鰹節を削り、トリミングの昆布をたっぷり入れて味噌汁を作った。
落ち着いた出汁が出ている。具を食べて、スープを飲んで、また具を食べて……
味噌汁の底に、小さな昆布が残っている。
これを箸でかっ込み、ポリポリかじると、また酒が飲みたくなる。

うね乃」の製品は、インターネットで買える。
ただし昆布のトリミング袋は店に行かないと買えない。
そうだよな、こんなのたくさん出来るわけ無いんだから。
行ってもあるかどうか分かりません。

2009年2月18日水曜日

京都の「食」で一杯





京都で買い込んできたおいしいのが家の食卓に並んだ

ちょっと湯引きして香りを出した鯛の皮

肉厚のこれこそ京都だというお揚げ

これもたっぷり厚い湯葉

鯛の黒寿司

2009年2月16日月曜日

焼き白子寿司



京都の帰り、駅の伊勢丹食料品売り場に寄ると、京野菜、魚の美味そうなのが、手ごろな価格で売っている。お客さんを見てみると、地元の人が結構多く、お得意さんがだいぶついているようだ。
ちょっと湯引きして香りを出した鯛の皮、肉厚のこれこそ京都だというお揚げ、これもたっぷり厚い湯葉、鯛の黒寿司等買い込み、ふと、寿司売り場を見たら白子を炙って乗せた寿司がある。これは旨そうだと買い、新幹線に飛び乗った。

動き出してすぐに白子寿司を開け、ポン酢をトレイの蓋にざっと開けたら、おいしそうな臭いがただより広がった。
周りの人に悪いな、と思いつつも「いいだろー」という優越感も。
白子は、表面さっぱりと焼け、軽い焦げ目の風味も出ている。
一個丸ごと大口に放り込み、噛んだら、パチンとジューシーな中身が破裂した。
ゆっくりと噛んでいるつもりが、瞬く間に1パック無くなってしまった。

寿司から現実に戻り、外を見たら、寒そうな雪景色の中、夕日が照り輝いていた。
空と雪が異様な色。
関ヶ原だ。
さあ、帰って、京都の食で一杯やろうか。

お出汁の「うね乃」


お出汁材料を扱っている「うね乃」を教えてもらったので、早速行ってみた。
鰹節、昆布、鮪節の粉末、生姜汁入りの豆腐のたれ、卵かけご飯のたれなんてのもある。
あれもこれもと買い込んで会計をしてもらっているところに「釆野です」と若い社長が挨拶にわざわざ出て来てくれ、ひとしきり歓談。

「わたしどもは絵の具やみたいなものですから」と謙遜して言う。
絵の具というお出汁の材料を作って売る。それを料理屋が買い、絵を描く。画家だ。
なるほどと、京都の野草料理で有名な「なかひがし」のご主人の話を思い出した。

「なかひがし」のご主人は、小学校の子供達への「食育」で、お出汁の作り方を教えたそうだ。
その方法が、まず、昆布出汁だけ作って、子供達に飲ませたら「ぬるぬるする」という反応が返ってきた。
その次に、鰹節から出汁を作って飲ませたら今度は「魚臭い」といった反応が返ってきた。
そして、今度は、昆布出汁と鰹出汁を半分ずつ混ぜて見せて飲ませたら「おいしい、おいしい」と、子供達は何杯もおかわりしてくれた。

まさに、画家だな。
「うね乃」で買い込んだ出汁の素、楽しみだな。

2009年2月13日金曜日

かれーせん20円



仁和寺に来たのは何年ぶりか考えたら35年ぐらいだった。
全く記憶が無く、こんなに大きな寺だったのかと驚いた。
回廊沿いに庭園をぶらぶら歩いていたら雪が降ってきた。
真冬の京都は人が少なく、タクシー運転手の皆さんは「京都は冬がいい、食べ物もおいしいし」という。全くその通り、昨日もおいしいものたっぷり食べられた。

仁和寺を出て妙心寺に向かってぶらぶら下っていったら、雪はさらに降ってきた。
時々暖かい陽がさしながらの雪で、気持ちがいい。
ここら辺は旧市街そのまま。
映画のセットにそのままなりそうな駄菓子屋があった。
当たり前に商売している本物の駄菓子屋だ。

かれーせんべい20円、お好み焼き30円、アワモコというのは何だろうか? 25円、金平糖その他、懐かしい、半世紀以上前に売っていた駄菓子が現役で売られている。
ということは、これらを作るメーカーがあるわけだ、すばらしい。

駄菓子を買い、向かいの喫茶店に入ったら、やはり半世紀前の本やブリキおもちゃなどをコレクションしている店だった。
子供達が小さい頃読んであげた絵本を発見。
電灯の笠も京都の半世紀前だった。

2009年2月12日木曜日

鹿のフライ



「男子厨房に入ろう会」というのがあって、25年ほど前に入っていて、あるとき鹿肉のステーキをやった。
たまたまテレビカメラが入っていて、私が調理しているのが放映されてしまった
「テレビで見ましたよ」という連絡がずいぶん入って、テレビの影響の恐ろしさも分かった。

鹿肉はドイツ料理では結構あり、オーストラリアでは「ゴート」料理が、焼いたり煮込みで結構あり、鹿牧場もニュージーランドも含めて結構ある。
鹿牧場の鹿から取れる角(つの)は、スライスして、韓国に出荷されるし、韓国からの観光客土産に人気だ。

この鹿の角をつぶしてエキスにし、香港に売っているメーカーがニュージーランドにあった。20年ほど前だ。

鹿肉は脂肪が無いので、そのまま焼くと、私の好みかもしれないが、おいしくない。
まあ、日本的にやると、和牛の脂肪で焼くとおいしいかもしれない。しかし、はっきりと表示しなければ偽装になる。

出て来た鹿は、みっしり充実、おいしさ濃い赤身を、良質の油で揚げたものだった。

仕上げは、お焦げちょっと。
ぱりぱり!

2009年2月10日火曜日

琵琶湖のモロコ


海のモロコは巨大だが、琵琶湖のモロコは正反対。
小さく、もろく、優しい。
もろいからモロコなのかな?

このモロコは琵琶湖でしか捕れない、琵琶湖のモロコではなく、モロコは琵琶湖でしかない。
たっぷり太ったモロコが3匹、おくど(京都風釜)でふうわり焼かれて出て来た。
一匹、頭から半分口に入れ、パリンとかじったら、卵と一緒に、高貴な風味が口の中に広がった。
額田大王の時代に、歴史的に見ればほんのひととき、都が琵琶湖のほとりの八日市に遷都されたときがある。
この時公家の皆さんはモロコを食べたのかな?
モロコの味は、京、公家、雅、そんな言葉が出て来るな。

2009年2月9日月曜日

しし(猪)


ドイツやフランスで、12月から翌2月頃までの冬の間、鹿、鴨、キジ、猪といった、野生の鳥獣を狩猟して、料理にする。ジビエだ。
猪は、日本の山奥、伊豆、京都の山中など、最近は少なくなったが、でも結構食べられる。
猪は豚の祖先だ。
猪の体型を見ると。肩が大きくてたくましく、重量挙げの選手状態だ。
この体型は、肩の部分がたくましく強い。
だから、肉は柔らかくは無い、しかし、味、滋養はたっぷりで、スープもおいしい。焼いて食べると堅いけど、よくかみしめて味わうと、力強い食糧を舌で味わえる。

京都で、猪が出て来た。
脂がたっぷり。
この脂は半分透き通っている。
バラスライスの断面、半分が、脂だ。
ガチッとかじると、脂肪は軟らかくなく、スジっぽい。
このスジっぽさ、野生の荒々しさむき出しでうれしい。
日本のジビエだ。

この野生の脂肪が、京都のお出汁と一緒になると、乱暴な信長が茶室に入ったようにおとなしくなる。
この猪は昨年の11月、最も脂がのっているときに狩猟したものだそうだ。
魚と一緒だな。脂がのった鯖、サンマ、鰯、カツオ……

2009年2月6日金曜日

鯉の鱗(うろこ)


鯉のさっぱりした照り焼きが来た。
その横にきらきらと、光り輝く薄片のようなのが盛り付けられている。
なんだこれは?!

これは、鯉の鱗(うろこ)
鱗なんて取るのが面倒くさいだけのものでしかない。
でも、これを食べると、ゼラチンいっぱいの軟骨みたいな魅力的なことがわかった。
調理がいいからだろう、ぱりぱりと、味付けもすばらしい。
鱗も、こう料理すると、変身するわけだ。
それなら、鯛の鱗はどうなっちゃうのかな?
鯛の兜で問題なのは、魚屋によって、鱗が丁寧に取り除いていあるか、そうでないかだ。
安い鯛兜は鱗いっぱいで、料理してもおいしくない上に、鱗がじゃまでしょうがない。これは買う方がいけない。
結構いい値段がついている鯛兜は、天然で肉が素直で、鱗がきれいに取ってあるのが多い。

こんな料理がどんどん出て来るこのすばらしい店は、予約がほとんど取れないので、紹介できない。
紹介しても、予約ほとんど出来ないから、紹介しない方がいい。
紹介すると、予約の競争が激しくなるので、紹介しない方がいい。
なら何でここに書いたかというと、鯉の鱗の話。

2009年2月5日木曜日

赤カブとつくし



赤カブは色がいいので正月料理に使うことが多いようだ。
つくし(土筆)は、春を告げる。

京都の料理屋で、小さな器、というよりも小さいぐい飲みが出て来た。
中をのぞくと、赤い大根おろしのようなのが敷かれていて、その上から小さな淺緑色のがちょこっと顔を出している。

赤いのは、赤カブ。顔を出しているのは何かと目を近づけて見たら、なんとまあ小さなつくしだろうか。
それに黒豆。
これが出て来たのは1月終わりだから、まだ正月料理は締め切り前。

赤カブはグラインドすると、水分が少ないので、水っぽくなく、さっくりとしている。こんな風に食べたのは初めてだ。
つくしは、京都は大原で、ご主人が「ほんのちょこっと顔を出したのを見つけて抜いてきた」そうだ。よくもまあ見つけられるものだ。

一緒に出て来たお椀は、底にほんのちょっと料理が入っているだけ。
おこわを敷き、その上にスッポンスープの煮こごり、そしてカラスミが2切れトッピングされている。
繊細だなー。

2009年2月4日水曜日

鯖しゃぶ




この時季、博多には鯖がたっぷり揚がる。
九州の北で鯖はゴマサバで食べることが多い。
しかし「おきよ食堂」のメニューに「鯖しゃぶ」がある。
これは初めての食べ方で早速挑戦。

鍋に、昆布が贅沢に入っている。
湯が沸いてきたら、もう昆布出汁がしっかり出ている。
そこにどーんとおおざっぱに市場らしく盛られた鯖の一切れをさっと入れる。
表面が白くなったところで引き上げる。
口に入れたら、鯖の甘みがいっぱい。

「うわ〜〜〜!」総勢8名の宴会参加者は、ハイエナのごとく飛びついた。
切り身を取られないように、箸でつかみながらしゃぶしゃぶ。
あっという間になくなった。

スープが残った。
このスープには鯖の旨味とかなり濃くなった昆布の出しが絡まり合って、とろり。
昆布をかじったら、おいしさしっかり残ってる。
鯖にスープに昆布、三つも楽しめる。

2009年2月3日火曜日

鯨のステーキ


捕鯨について「ウェッジ」の2009年2月号で、慶應義塾大学の谷口智彦氏が「コストのあわない遠洋調査捕鯨をやめ、これを交渉のカードにして、沿岸小型捕鯨が出来るようにして採算に乗せ、食文化を守ればいい」と主張している。
なるほど、いいアイデアだと思う。

私が子供の頃、近くの魚屋「ととや」では、15センチ角ぐらいの鯨赤身のブロックが売られていた。
これをスライスして、焼いて食べると、もう天国。
この世にこんなおいしいのがあるのかとなった。
大学に入って学生運動でキャンパスが閉鎖され、アルバイトと旅で過ごしていた頃、新宿西口の横町で「鯨カツ定食」が安かった。

博多、魚卸売市場会館の「おきよ食堂」に入ったら、鯨のステーキがある。
これは見逃せない。
出て来たステーキをかじったら、じんわりと鯨の赤身のジュースと脂が充満し、一瞬で子供の頃、学生時代に時間が戻った。

追記:タイミングがいいことに、この日の夕刊と翌朝刊に、沿岸小型捕鯨へのことが新聞発表になっていた。
谷口智彦氏の主張の通りだ。

2009年2月2日月曜日

紙カツ



トンカツは独特のもので、ふわっとまぶした軟らかいパン粉の感覚は、日本だけだ。
ウィーンのシュニッツェルの衣は粉だし、オーストラリアやニュージーランドのフィッシュケイクの衣は、カリカリに堅かったりで、日本人の舌にはあまりしっくり来ない。
反対に日本のトンカツを欧米人に食べさせるとグルメほどおいしいという人が多い。
日本のカレーライスやあんパンも同じで、日本独自の料理が欧米人に受け入れられる。

トンカツの肉の厚さは7ミリから1センチ程度で、トンカツ専門店の高品質のには2センチ以上のがある。
厚い切り身のトンカツを軟らかく揚げるには、低温の油で時間をかけたり、二度揚げにしたりする。
じっくりと揚がった厚くて熱いトンカツをガブッとかじると、さくっと衣が当たったあと、豚肉の脂と肉汁がばしっとはじける。

ところがここのトンカツは「紙カツ」の名の通り、薄い豚肉。
肉のコストダウンととる人もいるかもしれないが、一口食べると、なぜ薄くしたのかがわかる。
これは、衣の食感を主に味わうもので、肉はそれをバックアップするソースのようだ。
さっぱり揚げた薄い一切れは、ふわりと口になじみ、おいしさを豚肉が後押しする。

この紙カツも「秩父錦」の名物。
薩摩揚げといい、ここの名物は素早く食べなければならないのが多いな。

2009年2月1日日曜日

風船薩摩揚げ



銀座二丁目の裏を歩いていると忽然と現れる居酒屋の時代屋みたいな「秩父錦
早く行かないといっぱいになる店なので、開店時間の5時集合。
着いたら早くも二人到着済み。
「あと一人増えます、合計5名」と言ったら、「え〜〜〜」
隅の4人テーブルに移動して無理矢理椅子を一つくっつけた。
これで確保して安心したところに5名のグループが来て「予約してないんですけど……」
また「え〜〜〜」
こちらは奥の座敷に何とか入れられて、これで今日は満席。
よく流行っている店だ。

この店の名物「薩摩揚げ」は、早く注文しないと無くなるので、まずは刺身盛り合わせと一緒に注文。同時に「今日のお勧め」が看板に5品ばかりあるので「それ全部」

黒ビールをあっという間に6本程なくし、一人が「秩父錦濁り酒」を注文。
これは枡にコップを入れ、あふれさせて注いでくれる。
昔はコップ酒というとこうしてくれた。
どれだけあふれさせてくれるかが店の心意気だったが、中にはえらく厚いグラスで、大きく見えて重いが、入る酒の量は少ないコップを使っていて、それでたっぷりあふれさせるという、サービスだか上げ底だかわからないのも結構あった。
秩父錦のは普通の薄いグラスのコップで正真正銘誠実一筋。

そこに薩摩揚げ到着し「おぉ〜〜〜」と歓声。
大きなピンポン球のようにパンパンに膨らんでいる。
すぐに食べなくちゃと言いながら「ちょっと待て!」と撮影。
生姜醤油を付けて、パクリとやると「プスッ」っと破裂し、揚げの熱風が頬を膨らませた。