2008年8月28日木曜日

パリ-14:バチニョール(Batignolles)の朝市




Bio(有機)産品を売っている朝市に連れて行ってもらった。
パリにあるBIO専門の朝市は2つあり、ここはそのひとつ。
地下鉄のRome駅とPlace Clichy駅の間。
この市の一番端にある八百屋にまっすぐ行く。
Michel RENARD
10, rue Dyte - 78690 St Remy 1`Honore
電話 01 34 87 90 01

店の旗やプライスカードにBioのブランドが明記されている。
色は悪いが、重厚な感じのトマト。
茎が太っとく、たくましそうなほうれん草。
茎と葉が付いたままの、小さいが賢そうなタマネギ。
色が黄色っぽく濃いジャガイモ。
土の香たっぷりの野菜を数日分たっぷり買い込んだ。
店のおばさん、お得意さんの知人だと、おまけしてくれた。

この店の斜向いの肉屋を覗いたら、子牛みたいな浅い色だが、ずいぶん大きいラムの骨付きロインを切りそろえていたので、これは美味そうだと4枚購入。価格は4枚で20ユーロと、結構高いが、いったいどんな味なのか……

帰りに近くのカフェでゆっくりお茶。
とりあえずアパートに買い込んだ食材を置き、二日目のルーブルへ。

2008年8月27日水曜日

パリ-13:ブッチャーショップのポークチョップ






ルーブルをたっぷり歩き回って、腹減った。

近くの家族でやっているブッチャーショップ(食肉専門店)を覗いたら、美味そうなな豚の骨付きロイン(ロース)がデンとあるので、2枚カットしてもらった。
豚肉を骨付きのままぶった切るから「ポークチョップ」
あばら骨の真ん中あたりまでのブロックなので、リブボーン(あばら骨)が長く、それを半分に鉈で切ってくれた。
そう、そのリブボーンに付いている肉が美味しいんだよねー。親切だなー。
店の名前と写真を印刷したきれいな包装紙にくるまれている。パリの肉屋のパッケージだ。

塩、胡椒だけで焼き、醤油をちょっと垂らしてナイフを入れたら、力強い繊維の手応え。
ぎっしりと旨味が詰まった豚肉だ。
日本の一般的な豚肉と比べて、この密度、旨味の違いはいったいなんなんだ!
ビール飲むの忘れて、夢中で食べた。

こっちの人は、毎日肉とイモばかり食べていて、よくも飽きないもんだなと考えていたが、この豚肉を食べて判った。
これなら毎日食べたいよ。こんなにおいしいんだから。

ポテト、タマネギ、ズッキーニ、マッシュルーム、どれをとっても、ただ焼いただけで素晴らしい。
豊潤な大地の力だ。

2008年8月26日火曜日

パリ-12:パリのデパ地下




オペラ座裏「ギャラリー・ラファイエット百貨店」本館隣にある紳士食品館の食品売り場は、日本の「デパ地下」とそっくり。
ディスプレイ、高級食品、併設されたいくつかの小さなカフェで構成されている。
一見良い食品が揃っているように見えるが、しかしよく見ると、ただ高級なだけで、素材の美味しさを活かした食品やメニューはあまり無い様に見える。
お金はあるが、食のことをあまり知らない、格好だけつける客が多いように見える。
Bio、オーガニックになじんでしまったのでこう見えるのかな?
生鮮は面白いが、かなり高い。
チョコレート等、日本へのお土産を色々買うなら面白い店。

2008年8月25日月曜日

パリ-11:超繁盛のBioレストラン





「おいしいオーガニックカフェがある」と案内されたのは、ガラス張りのマルシェ・サントレノ広場南側にある超繁盛店だった。
「LE PAIN QUOTIDIEN SAINT HONORE」
18 PKACE DU MARCHE ST
電話01-42-96-31-70

この店は米国発祥のチェーン店で、ロンドンにもある。

4人それぞれ注文したのは、
カルパッチョ
人参スープ
豆腐と海苔のサラダ
アーティチョークのサラダ
アボガドサラダ

この店はかなり大きいのだが、昼食時間で完全に満席。
サラダとパンが抜群の素晴らしさ。昼だったので飲まなかったが「ビールは最高」だそうだ。
オーガニックの野菜というのは、美味しいというのを通り越して、力にあふれている。
野菜が好きな人は是非一度どうぞ。オペラ座から歩いて5分ほど。

2008年8月22日金曜日

パリ-10:コーニッシュゲームヘン






アパートの近くにポートリー屋がある。
ポートリーとは鳥類で、チキン、アヒル、鴨、コーニッシュゲームヘン(小さめの地鶏)等の肉を扱う。
このポートリー屋は、店頭にロースターを置き、ぐるぐる回して焼いている。

店の奥にいた青年タイプの店主が出て来たので、今焼いているのいつ焼き上がるか聞いたら「1時間後」
普通の鶏だと大きすぎるし、コーニッシュゲームヘンの方が美味しいはずなので、小さいのを指して「1時間後に取りに来るから取っといて、シルブプレ」

確保した焼きたて熱々のコーニッシュゲームヘンを持って帰り、まずは足を外して齧ったら、やはり、しっかりと味の濃い肉で、噛み締めるごとに旨味がにじみ出て来る。
両足がすぐに無くなったので、本体をナイフで細かくバラバラにしてならし、骨付きの一片一片を皮と一緒にしゃぶり食べて行く。
ひとかけらの肉を齧り、骨をしゃぶり、ブルゴーニュ産のシャブリを一口飲み、次の一片をまた始める。
きれいになった骨は、別の皿に放り込んで行く。
肉が入った皿は着々と減って行き、骨の皿が次第に増えて行く。
整理整頓。

うまい!うまい!と着々とやっていたら、いつの間にか全部無くなり、もうひとつの皿は骨の山。
この骨から出汁が取れるけど、もう腹いっぱいなので今晩はこれでおしまい。

2008年8月20日水曜日

パリ-09:どっしりクロワッサンの朝食



3時間にわたってランジスを視察し、アパート帰着9時、近くのカフェで朝飯。
7ユーロほどの朝食セットを頼んだら、バター付きのバケットにジャム、クロワッサン、オレンジジュース、紅茶が出て来た。

香ばしいバケットをちぎり、バターの上にジャムを乗せて齧ると、巴里っ子になった気分。
クロワッサンを持ったらどっしり重い。
日本で普通にあるクロワッサンだと、フワッという感じで持つが、このクロワッサンは「よいしょ」
パンの密度も、味も濃い。
なるほど、これだけでたっぷりした朝食だ。

この辺りはファッションエリアとして有名なマレ地区のはずれ。
ファッショナブルな店があちこちにあるが、アパートからマレ地区の中心に向かって、ブティック等を見ながら行ったら、どういう訳か男性ファッションばかりだと気が付いた。
カフェも男同士で隣り合って仲良く座っている。
そうか、そういうことだったんだ。

近くのカフェで映画「薔薇の名前」のショーン・コネリーに似た学者風紳士と、40代のビジネスマンタイプのカップルが居た。さっきはブティック内でうれしそうに買い物をしていたカップルも居た。
彼らは皆優しい。
ここら辺なら、女性一人で歩いていてもも安心かな。
私一人で歩く方がかえって危険かな?

マレ地区中心に入ったら、突然雰囲気が変わって、女性ブティック、カジュアルブティック、アクセサリー、ガラクタ含めて、観光客大集合地区に入った。

2008年8月18日月曜日

パリ-08:ランジス魚棟






アパートを早朝5時に出発、今回最大の目的「ランジス」へ。
ランジスはパリの南、オルリー空港の側にあるフランス最大、というよりもヨーロッパ最大の食材卸売市場。
肉と内蔵、魚、青果、そして花卉が揃い、毎日7千台の輸送車が出入りする。

30分ほどで着いたら、もう半分終わっていて、清掃洗浄の真っ最中の店もある。
衛生管理の視察目的なので、ちょうどいい。
2004年の12月にポートリー館(鳥類)と、枝肉館をみたので、今回は、魚、肉の内蔵、青果を集中的に見る。

魚館は「A4」という棟で、未だ暗い早朝の空の下に、ガラス張りの建物が煌々と光っている。

来て判ったが、この魚館は、最も新しい。
衛生管理をしっかり考えてつくっている。
ニューヨークの新フルトンマーケットと基本的な構造はよく似ている。
同じデザイナーなのか、ランジスのをニューヨークの新フルトンがまねたのか?

閉鎖構造。
中央に大きな通路があり、ここを電動フォークリフトが通る。
両サイドに仲卸の店が並ぶ。
大型の店の側と、反対側は小型の店と分けられている。
床は中央に傾斜が下がり、店で洗浄した排水は中央から外に排出される。
店の両外側に、ピッキング準備室とドッグシェルターの入出庫口がある。

陳列はパレットの上に乗せられているが、多くは陳列専用のものだ。
置きっぱなしでもパレットの下が清掃出来るようになっている。
普通のパレットと同じように、フォークリフトも使える。
日本では簀の子や運送用のパレットをよく使っているが、あれだと置きっぱなしになった場合、下が清掃出来ないので、ゴミ、汚れ、虫、カビの発生源になってしまう。
ここで使っているパレットなら、清掃洗浄しやすいし、使いやすい。
2つのタイプがある。網トップ型と板トップ型とでもいおうか。
このパレット、日本で買えないかな?
どなたか知りませんか?

このランジスのすべての棟と、一緒にニューヨークの新フルトンマーケット、ロンドンの魚、食肉、変わったところでメルボルンの旧魚市の魅力的改修等の写真解説「最新卸売市場の建設と衛生管理」セミナーを来年に入ってからでも行います。

2008年8月17日日曜日

パリ-07:ハラスの塩焼き





地下鉄8号線の「サン・セバスティアン・フロワッサール」駅に着き、重い食材ぶら下げて階段上がり、歩いて2分のアパートに帰ったら、のどカラカラ、腹ペコペコ。
食材を冷蔵庫に放り込み、シャワー浴び、短パンひとつのさっぱり状態になり、冷蔵庫からビールを一缶取り出し、プシュッと開け、グラスに注ぎ、震える唇の間にどどっと冷たいのを注入したら、一気に落ち着いた。

もう二口ビールを放り込んだところで、さて、と、冷蔵庫からハラスを取り出し、フライパンにオリーブオイルを少し塗って落ち着かせ、フランス産の塩をハラスにふりかけ、ビールを更に飲みながら調理。
その間にごっつく重いトマトをスライスし、一口齧ると、トマトの汁が口の中ではじけた。

焼き上がったハラスに、キッコーマンの「特選丸大豆醤油」ミニパックをかけ、割り箸で皮ごとちぎり、口に放り込んだら、上品な脂たっぷりのハラス焼き。
「ルイ16世のハラス」

マグロのパックを開けたら、少し透明がかったきれいな赤身が出て来た。
うわー、ワサビだワサビだ!

2008年8月14日木曜日

パリ-06:ボン・マルシェの高級食品館






高級デパート「ル・ボン・マルシェ」の隣にある高級食品館「ル・ボン・マルシェ・グランド・エピスリー」は、地下鉄10か12号線で降り、地上に上がると「ブシコー公園」があるので、その後ろがデパート、そしてその裏にある。

ここは高級食材のオンパレード。
パリで買える高品質の食材、デリカテッセン、加工食品と「食」のあらゆるものがそろっている。

魚売り場に行ったら、サーモンのハラセがある。
今回のパリ滞在は少し長いので、短期アパートを借りた。
醤油とワサビは日本から持って来た。
アパートのキッチンは小さいが素晴らしい。
冷蔵庫の中には、ビール、ワインを既に買い込んで、しっかり冷えている。
よーし、今晩はここで買い込んで、アパートでやるか!

魚売り場で「そこのハラスを2本ばかりください」と言ったとたん、マグロの赤身の大きなブロックが置いてある。
「こ、こ、これも、厚さこのくらいで、2枚、シルブプレ(お願いします)」
次はサラダ用の野菜。
野性味たっぷりのごっついトマトも食べてみよう。
ハム、ソーセージ、中華……、あれもこれも欲しくなったが、いっぺんに食べられない、また来ることにして、よく歩いたし、喉が乾き、夕方にもなり、地下鉄で一気にアパートに帰ることにしよう。

2008年8月13日水曜日

パリ-05:ガスパッチョ






ステンドグラスの演奏会が終わった後、セーヌを渡り、シャトレ広場の一角にあるカフェに。
ZIMMER 1 place au Chatelet 電話01-42-36-74-03

スターターで、メロンとガスパッチョを頼んだ。
メロンは何と組み合わせて出てくるのかと思ったら、メロンだけ。
大量のスライス。
デザートのフルーツではなく、スターターでメロンなんて初めて。
これはフレンチ風なのかな?
味はそれほど甘くは無く、さっぱりしている。
サラダの感覚なのかもしれないな。

ガスパッチョは驚愕のおいしさ。
トマトに、ハーブ、スパイスをかなり組み合わせていて、ちょっと口に入れた時はトマトそのものに感じるが、口の中でネチャネチャ噛んで行くと、スパイシーな香りがにじみ出て、広がってくる。
これは日本でも売れそうだ。

ズッキーニのカルパッチョが来た。
ズッキーニのスライスが広がり、ハーブ入りオリーブオイルが回しかけられ、グラインドチーズがトッピングされている。
これも単純で素晴らしい。
さっぱり、ぱきぱき、それをオイルとチーズで応援。

この店、どのメニューもシンプルに見えるが、実はスパイシーなアクセントをそれぞれのメニューにあわせて付けている。

すっかり満足して上を見たら、天井がルイ王朝だった。

2008年8月12日火曜日

パリ-04:ステンドグラスの天国




セーヌ川の中の島、シテ島にある教会「サント・シャペル」で8時半からのコンサート。
この季節、パリの宵は10時近くにやっと訪れる。
この教会は、大きさだか広さだかで、世界一のステンドグラスにホールが囲まれている。
そこで、マタイ受難曲の一部等、教会音楽曲を、ヴァイオリン3丁、コントラバス、チェンバロ、そしてカウンターテナーの声楽で演奏される。

ということはどういうことになるか。

未だ十分に陽が残っている8時過ぎ、360度、周りすべてを華麗なステンドグラスに囲まれたホールに、聴衆約2百名ほどが入ると、光が充ち、ため息が広がる。
光を味わっているところに演奏が始まり、優雅な響きの中、ステンドグラスの光は次第にやわらかく、藍色に変化して行く。

演奏の最中、小さな窓から教会の鐘が漏れ聞こえる。
9時の鐘だ。
演奏は何も無かったように、静々と進む。
カウンタテナーの歌声が高らかにホールとステンドグラスに響きわたっている。これは天国の世界だ

9時半頃になって、演奏はおしまい。
ほんのわずかのこっている陽の光が、ステンドグラスを通して判る。
いい演奏会だった。
演奏だけでなく、天国もおしまい。
外に出たら、セーヌには、未だわずかな光が残っていた。

パリのバカンス期間は、オペラ座などのトップクラスの音楽会、高級店は皆休み。おかげで金使わなくていい。
しかし教会や小さなホールで、1時間から1時間半のミニコンサートは毎日数カ所やっていて、気軽に宵の音楽を楽しめる。価格は15から25ユーロほど。
このミニコンサート情報は「parisco」という週刊の情報誌に出ている。

2008年8月10日日曜日

パリ-03:オーガニックと簡便ニーズ





全世界的にオーガニックニーズがますます高まっているが、パリでも同じ。
「Bio」と書いてあるのが有機栽培や有機飼育の印。
青果、パッケージされたジュース等、オーガニックの産品や加工品が多いが、その反面、同じ店にTVディナーや、簡易調理、電子レンジ調理パック等、簡便対応の製品も多い。
自然志向と、簡便思考の、二極化の様だ、日本とニーズは同じ。

「Bio」とは、バイオロジカルで、青果、肉、穀物製品等、多くの食材がある。
基準は厳しく、例えば牛肉だと、一頭あたりかなり広い装置(一般の2倍)で飼育され、化学物質を使ってはダメ、牧草は自生のもの等、一般のものに比べてかなりコストがかかる。
従って、価格も2倍程度はする。

監査も厳しい。
「Bio」をやっている農家や店舗は「監査員がしょっちゅう来ていろいろ聞いたり調べるのでうるさくて」と言っているそうだ。
表示は看板やラベルでされている。
「demeter」などののラベルは、「Bio」の基本的な組織のひとつだ。
こういった組織の歴史は古く、ニュージーランドで20年ほど前に聞いたら「ドイツのある学者が85年ほど前にやって来て教えてくれた」と言う。

「Bio」の方法は、知らない人がいきなり聞いたら「頭がいってるか宗教か?」と疑問視してしまうことも多い。
有機、バイオ飼料を「満月の次の日にまく」
「雑草を焼いたのを草地にまくと除草になる」
牛の糞(草の肥料)を30センチ地下まで注入して土地を良くする虫を使う(農業を助けてくれる)
雑草の種を食べる2ミリほどの小さいカブトムシのような虫を使う。
等等、不思議な方法がいろいろあり、すべて効果があり、教科書もある。
その基本は、大地と宇宙、森羅万象を根源にしている

パリには「Bio」が定着していて、朝市にも「Bio」専門がある。

2008年8月8日金曜日

パリ-02:ドゥ・マルゴ



作家や芸術家が集まるカフェとして有名な「ドゥ・マルゴ」は、サン・ジェルマン・デ・プレ教会の隣にある。地下鉄4号線「サン・ジェルマン・デ・プレ」

カフェの席で、一番安いのはカウンターの立ち飲みだが、その次は店内、そして一番高い(といってもしれているが)のが外のテラス席。
テラス席は歩道を半ば使っている。通行人が恐縮して通るようなところも多い。
なぜテラスが高いかというと、歩道の使用料金を払っているから。
客も、禁煙条例が出る前から、テラスが好き。

パリの今年の天候は、それほど暑くは無く、風さわやか。
それでも喉が渇いたので、この老舗カフェでアイスティー。
パリの皆さんはニースやスイス等に避暑に出ているので、市内は車が少なく、渋滞も無い道路の前で、ちょっとパリの文化人の雰囲気を味わう。

今月はパリの星付きレストランのほとんどが休み。
日本なら一流レストランが一ヶ月も休むなんて考えられないが、パリで高級レストランを利用する客のほとんどはパリに居ない訳だから、店も休むのは考えてみればあたりまえ、客が居なけりゃ店はできない。客と一緒に休暇をとってしまうのだ。
おかげで高級レストラン体験の大金がかからなくてすむ。