2007年12月28日金曜日

熊野シリーズ5:熊野三大名物




まずはアワビ。
最初に泊まった志摩のホテルで、名物「黒鮑のグリル」を頼もうと思ったが、あまりにも高いので、あきらめた。支払いの時むなしくなりそうなので。
しかし、食べたかったなー。
那智勝浦のこの居酒屋で「アワビ」とあるので、恐る恐るいくらか聞いたら、中型のが3千円。
「そ、そ、それください!」
「はい、アワビ、焼きー」
イワシでも焼くように、ささっと切れ目を付けて、そのままグリル。
大きなアワビだ。
箸と口の回り肝でぐちゃぐちゃになりながらガツガツ。
ああ、なんと贅沢なんだろうか。

次は伊勢エビ。
もうだいぶ腹いっぱいになってきているのだが、ここに来たら伊勢エビ食べなくちゃ。
「刺し身でも、焼いても、汁でも、何でも」
というので「汁で」
これも中型の伊勢エビを、大将乱暴に真っ二つにし、鍋に放り込んだ。
大きな丼にはみ出しそうな状態で、サッと茹でた味噌汁が出て来た。
あちあちいいながら身を引っ張ったら、バリッと、丸ごと外れた。
でかいなー!
ぼくぼくかじりついた。
下にもう半身入っていた。これもバリバリ。
ああ、もう、満足満足!

三大名物最後のクジラ。
これはもうダメ、入らない、腹ん中熊野灘で一杯。倉庫みたいだ。
クジラは海産物店で、小さなベーコンのブロック5個、ミンククジラの脂肪ブロック3個、送料付き1万円で家に発送。
これで熊野灘攻略修了とする。

この後、串本のクジラ博物館に行ったら、大きな骨格標本などがあり、昔のクジラ漁の実寸模型が展示してあった。
あんなでかいクジラ、よくもまあ小さな人間が捕ったもんだ。
空腹と勇気の問題か。

2007年12月27日木曜日

熊野シリーズ4:マンボウの肝和え




肝和えといったらカワハギだが、マンボウの肝和えがある。
マンボウの身は野菜みたいにしゃっきりとした食感だが、それが柔らかな味の肝和えになっている。へえ〜〜〜。

マンボウは、海に落ちた座布団みたいに、ふわふわと浮いている。
積極的に捕るのではないが、漁をしていると外道でかかってきてしまう。
漁港の市場の端に10匹揚っていた。
きれいな魚だ。
これを食べちゃうなんて。
しかし、珍味。

熊野シリーズ3:マグロの尾の身




クジラの尾の身は有名だが、マグロの尾の身ってどんなの?
「ゼラチン系で、男性には若さ、女性にはお肌」
それならぜひ。
なるほどまさしくゼラチン系。
白く半透明なコラーゲンがつやつやと光っている。
尾の所をぶつ切りにして、単純に塩ゆでしただけのようだ。
ポン酢で食べる。
河豚皮の2枚目の所を厚く大きくしたようだ。
さっぱりトロコロ。

マグロの胃は、スライスし、酢味噌で。
牛のセンマイをさっぱり軟らかくしたみたい。
野菜不足なので何か? と聞いたら「それならほうれん草の胡麻和え」
適当に造ったのとは大違い。
良質のほうれん草に風味濃い胡麻がたっぷり。

熊野シリーズ4:マンボウの肝和え1844.1907.04

肝和えといったらカワハギだが、マンボウの肝和えがある。
マンボウの身は野菜みたいにしゃっきりとした食感だが、それが柔らかな味の肝和えになっている。へえ〜〜〜。

マンボウは、海に落ちた座布団みたいに、ふわふわと浮いている。
積極的に捕るのではないが、漁をしているとかかってきてしまう。
漁港の市場の端に、かかってしまったマンボウが10匹揚っていた。
きれいな魚だ。
これを食べちゃうなんて。
しかし、珍味。

2007年12月26日水曜日

熊野シリーズ2:マグロの本場、那智勝浦




東京築地市場の生マグロの競り場に行くと、この那智勝浦と山陰の境港からのがずいぶん出ている。

マグロを競っている勝浦漁港市場に朝7時過ぎに行ったら、大量にあがっている。
びっしりと並べられた市場入口のマグロの数にびっくりしたが、奥の方に同じぐらいの競り場があと2つもある。
マグロ船からもまだ続々とクレーンで陸揚げされている。
那智勝浦駅と漁港との間にマグロの加工と卸をやる店がいくつもある。それぞれ観光客向けに小売りもしている。そして飲食店は「マグロ丼」「マグロ定食」など、まぐろ料理だらけ。

昨晩夕食に入った店は大当たり。
まぐろ料理「竹原」0735-52-1134
ガラッと入ってビールととりあえず「マグロの赤身の刺し身」を頼んでふと横を見たら「椎名誠お勧めの店」という雑誌の切り抜きがある。壁にも多くの顧客との写真。
奥の方には出張組らしいネクタイをした3人。
間に1人地元の顧客。
カウンターの上とキッチンに大きく「禁煙」のサイン。
この店は、禁煙の居酒屋なんだ。
「禁煙の居酒屋なんて、素晴らしい」と店主に言ったら「そうなんです、おいしいもの食べている時にタバコなんて……」
県から、禁煙にした店ということで、表彰状がある。
「玉秩父」のマスターへ、
「玉秩父も思い切って禁煙にしたら?」

赤身の刺し身は、切り身というよりも、大きなぶつ切り。
しっとりとした自然な味だ。

2007年12月25日火曜日

熊野シリーズ1:そうだ! 熊野へ!




海外出張延びたので
ぽっかり空いた1週間
ど〜うしようと起きた時
「そうだ! 熊野へ!」

家人の説得慎重に
何とかうまくいったので
わくわく慌てて支度をし
「旅に出る!」

東名高速まっしぐら
今日は名古屋泊まりかと
走って行けば順調で
夕食時間に志摩半島

一泊したあとここまで来たら
行かなきゃならない伊勢神宮
お参りしたら熊野灘
奇岩景観見ながら南下

突発旅行2日目は
那智勝浦に滑り込み
何でここにしたかというと
「さあ、まぐろ食うぞ!」

2007年12月21日金曜日

札幌から野辺地へ


12時22分発の特急で札幌を出て、函館経由で野辺地に向かう。

札幌の雪はさらっとしていて、吹き飛ぶので、列車は苫小牧からしばらくは雪煙を飛ばしながら走る。しかし更に南に向かい、伊達紋別を過ぎる頃から次第に雪は湿気を含んだ重いのに変ってくる。
夕暮れの中、どっしりした雪と、青黒く冷たそうな海、雪雲の中を列車は函館に入った。

函館で列車を乗り換え、津軽海峡線(青函トンネル)に向かって走る。
乗っている車両には、私と夫婦1組の旅行者だけ。関西弁で時々ひそやかに話している。関西の人がどういう理由でこの列車に乗っているんだろう。奥さんが海を見て「寒そー!」

夜に入り、時々寂しそうに民家や番屋の灯が走り過ぎる。
長いトンネルに入り、最深部あたりでトンネル内に灯っているブルーのライトが横切った。
ここが最深部だ。
海底から100メートル下を通っているという、すごい工事だったんだろうな。

列車内の電光掲示板に「ただいま竜飛岬駅付近を通過」と出て来た。
昨年の秋、竜飛岬の上からこの海底トンネル駅に降りるツアーに行ったが、今日はそのトンネル側を走っているのだ。トンネルの中と外、両方行ったわけだ。

青森で列車は向きを変え、30分で野辺地着、18時10分。
札幌から6時間近くかかったが、面白かった。

2007年12月20日木曜日

道産の寿司




「札幌だったら豊寿司行かなくちゃ」と、米澤佐藤畜産の社長が予約してくれた。
豊寿司

カウンター6席、小あがりに小さなテーブル2つの店。

最初に出て来たちょいつまみは海水で洗ったウニ。
一口食べただけで、この店の大将の心意気が分かる。
こんな素晴らしいウニ食べたら、これから先どうするんだ。

ヒラメは刺し身と昆布締め2切れづつ。スダチをちょっとたらして。
イカはドンコ付き。はち切れそうなぷりぷりのワタは、普通産地でなきゃ味わえない。

大型の蝦夷アワビが2人に1個出て来た。
大将が1本競り買いしている戸井の鮪のトロが出て来た。この脂は素直だ。
子持ち昆布の上にウニを乗せたのが出て来た。
これは佐藤社長が以前リクエストし、それがこの店の定番になったもの。この組み合わせが実にあうのでびっくり。

大将、有明の海苔を細く切った。イカをそうめん風に切っている音が響く。
どんなのが出て来るかと、我々4人は一瞬シーン。
目の前に置かれたのは、小さな舎利の上に、海苔が置かれ、その上にイカそーめんが乗っている。イカは半透明で、黒光りする海苔が透けて見えている。イカの甘味が海苔で引き出されている。

戸井の鮪の赤身の漬け握り。
北寄貝の握り。
本タラバ蟹の握り。
きゃしゃな羽のように軟らかい皮に包まれたイクラの軍艦。
焼き網で炙られたアナゴの握り。
ああ満足満足!!

外に出たら、ますます冷たくなった薄野の寒風が、誠意のこもった道産寿司と焼酎のお湯割りで火照った体に気持ちが良い。すーーーっと体と意識がしゃっきりし、あっという間に次に行きたくなる。だから冬の薄野はハシゴになってしまうんだ。
腹ごなしに3ブロックだけ歩き、札幌名物「バー山崎」に行き、切り絵やってもらおうか。

2007年12月19日水曜日

札幌のフレンチランチ




北海道神宮の向かい側にワインの豊富なフレンチレストラン「コートドール」がある。
このすぐそばに住んでいる大学時代からの友人夫妻と会食。
私は昼はほとんど食べないが、こういう時は別。

3千円のランチコースを頼み「お飲み物は?」というので、普通昼は飲まないが、こういう店に来たのでは、仕方なく「まずビール」
最初のカボチャのスープは、茶托が付いたお茶のように出て来た。スプーンではなくそのまま「お茶を飲むようにどうぞ」
なるほど、こういう出し方もいいね。

魚料理は、鯛のカルパッチョ風が出て来た。
雪だるまみたいなのが乗っている。
洗剤の泡のように見えるが、卵白と酢を使ってこう出来るという。
それにレッドペパーが2つ乗せてあるので、サンタクロースだ。
メリークリスマス。
こうなったら、仕方なく「グラスの白ワインを一杯」
こういう店に来たら、ワイン飲まなきゃ失礼にあたる。仕方ない。

肉料理は山形三元豚のソテー。
これになったら、赤ワインにしなければバチが当たる、仕方ない「カベルネ系をグラスで一杯」
すっかりいい気持ちになり、夕方に向かって昼寝。

2007年12月18日火曜日

北寄貝のグラタン




ホテルを一歩出たら冷たい空気。
軟らかい氷で頬をなでられるようだ。
背筋がぴんと伸びる。
札幌大通り公園は、イルミネーションでクリスマスを迎えている。
テレビ塔の下で、ドイツの皆さんのフェアをやっている。
札幌はミュンヘンと姉妹都市なので、このフェアなのだそうだ。
この冷気の中、生ビールを野外で売っているけど、誰も飲んでいない。見ただけで震え上がってしまう。

北海道の食材をフレンチで食べようというので「モンペール」へ。
ドアには「準備中」、もう6時半なのに。
覗いたら「7時の予約のお客様ですか、いらっしゃいませ」
この日は我々ともう1組の大口グループの予約でいっぱいなので準備中にしてあったのだ。

厚岸の中島さん生産の牡蠣でビール。
牡蠣はすぐに無くなり「おかわり!」
最初の白ワインは低価格のチリの白にして、がぶがぶ。
次はアワビのグリル。
アワビは生もいいが、ちょっと火を通すと軟らかくなり、風味も出る。

北寄貝のグラタンが出て来た。
北寄貝というのは私にとっていつも半遭難の思い出が付きまとう。
東北海道の霧多布に向かって海岸の道を走っていたら、カーブを曲がった途端雪の吹きだまりに突っ込み、抜け出せないでいた所にいきなり猛吹雪になり、25時間閉じこめられ、やっと助かってから最初に食べたのがホッキ飯だったからだ。
北寄貝のグラタンは、甘くさっぱりと出来ていた。

次の白は、カリフォルニアのちょっと高品質のシャルドネ。
フォアグラのソテーになった所でアルゼンチンのカベルネソーヴィニオンに変えた。
最終料理はラムのソテーで、ワインリストを見たら西オーストラリアのマーガレットリバーの赤があった。カベルネにメルローを加えたもので、ここに行ったことがある。
マーガレットリバーを思い出しながら、北海道食材のフレンチは大満足のうちに終了。4人で白赤4本飲んでしまった。

2007年12月16日日曜日

バラコ




タラコの壊れたのを「バラコ」と呼んでいる。
折れたもの、破れたもの、はじっこなど。
これが安く売っている。
たっぷり買って来て、熱いごはんの上に乗せて、海苔で巻いて食べる。
ちょうどこの日は山芋の漬物があった。
噛むとシャリッという食感。
これにおぼろ昆布のおすまし。
昆布をお椀に入れ、熱いお茶をかけるだけで出汁が出る。
シンプル、ヘルシー、しかし高級な朝食。

2007年12月13日木曜日

鯛茶のおみや



銀座の「竹葉亭」は鰻が名物だが、「鯛茶漬け」も有名。
鯛茶漬けは御飯とお茶がついているが、以前この独特のタレに浸けた鯛だけをつまみに頼むのに「鯛茶漬けの鯛だけ」と注文していたが、数年前からこれそのものが、名前もそのままでメニューになった。同じように「鮪茶漬けの鮪だけ」というメニューも横に載っている。

この日もこれで飲んでいたが、お土産にこの鯛茶漬けがあるので頼んで見た。
一体どういうパッケージになっているんだろうか?
同じお土産に「天丼」もあるので、これも一緒に注文。
家に帰って、鯛茶漬けの鯛だけ冷蔵庫に入れ、ことんと寝、翌日曜日の昼近く起き出し、このおみや(げ)を開けて見た。
お茶漬け用に小さめに切った切り身は、何となく店で注文するよりも多いようだ。
秘伝のタレはミニボトルに入っている。
擦り下ろしたワサビと細切りにした葱が添えられている。
海苔は小さな袋に。
このパックの上に氷が入った袋が乗せられている。
これは素晴らしい。

盛り付けたら、見事に店の鯛茶漬けの鯛だけが再現。
そして御飯を温めた。
竹葉亭の御飯はちょっと硬めに炊いてあり、これだけでつまみになる。
湯気が出ている御飯の上に、たっぷりタレを浸けた鯛をちょこんと乗せる。
ミニミニ鞠握りのようにして、ぽこんと口に放り込む。
ああ、銀座の味が、わが家でも。
酒飲みながらだとグズグズゆっくり食べるのだが、朝飯だと早い。
御飯お代わり!
結局、お茶漬けまで行かないまま、全て無くなってしまった。
これ、またやろう。
天丼? 娘の弁当に持っていかれた。

2007年12月11日火曜日

巨大ハタハタ2本400円



以前、秋田名物ハタハタが捕れなくなってきたので、秋田の漁師の皆さんが3年だったか、ハタハタ漁をやめたことがあった。
そしたら、ハタハタが回復し、再び大きなのが捕れるようになった。
秋田の漁師の皆さん、偉い。

魚屋に、特大のハタハタが皿盛りで安く売っていた。
そんなにたくさん要らないので、家内は「割高になってもいいから、2匹だけちょうだい」と言ったら、大きなの2匹で400円。
今年のハタハタは安いようだ。
焼いて皿に乗せたら、私の開いた手よりも大きい。
はち切れている卵に噛み付いた。

2007年12月8日土曜日

蕎麦打ち




野尻湖の新蕎麦打ちには、娘も行きたい、新蕎麦食べたいというので付いてきた。
地元の野菜でワインをちびちびやっていたら「そろそろ始めるか!」と、おばあちゃん、気合いが入った。
「やって見たい!」と、娘。
おばあちゃんの指導で、捏ね、のばし出した。
「粘土捏ねてるみたい」
百年経っている蕎麦包丁でカットしはじめたら、娘はゆっくり切っているが、細さ揃っている。
私だけで5ザルほど食べ、たくさん打った蕎麦、全て無くなってしまった。
柱時計が7回鳴った。
ブリキの湯たんぽが石油ストーブの上に乗っている。
おばあちゃん、次は雪解けの春来ます、そして来年の新蕎麦もよろしく。

2007年12月6日木曜日

野尻湖の霧下蕎麦




霧の下で保護され育ったた蕎麦は高品質になる。
米沢の高畠あたりは、山に囲まれた盆地で、こういった所も霧下になるので、米、蕎麦、ラフランスやサクランボなどのフルーツなどが高品質になる。
野尻湖の駅は黒姫だが、この信州本線の高度が霧の境目になる。線路の下が霧下になるわけだ。
新蕎麦は10月末頃出て来るので、毎年この時季になると野尻湖のおばあちゃんの所に行く。

おばあちゃんは今年97歳で蕎麦打ち80年!
昭和30年代だかに野尻湖に来られた美智子妃殿下に蕎麦打ちを披露したこともある。
元気いっぱいで、家の周りの作物を自分で収穫し、料理する。
天ぷらなんかもう天下一品。
小さな台所でパリパリの天ぷらを揚げてしまう。
そして、野尻湖の霧下新蕎麦を打つのがこの時季なのだ。

野尻湖は数日前、異例に早く降った大雪がいったん融け、日本晴れのいい天気。
野尻湖畔の家に着いたら、80年だか動き続けている柱時計がボーンボーンと2回鳴った。
近所の方から、柿やらラフランスがたっぷり届けられている。
ラフランスなんか、実に懐かしい竹のしょい籠にぎっしり。
蕎麦粉も袋いっぱい。
ここには、最高品質の地産食材がたくさん集まってくる。
オーガニックが当たり前、鮮度抜群、素朴な調理、空気のおいしさ天国なみ、水清く土いっぱい。
おばあちゃん元気なわけだよ。

2007年12月5日水曜日

鮭のハラスとスペアリブたっぷり208円


このおいしい所が分かっていない顧客と魚屋が増殖しているのだろうか?
切り身をとった残りを、面倒くさそうにまとめてトレイに放り込み、ドッグフードのような値段を付けて売り場に投げ出してあった、鮭のハラスとスペアリブと縁側がたっぷり入ったパックは、なんとたったの208円。
1208円ではない、ただの208円。
美味しい塩をかけ、グリルに並べたら、本当にたくさんある。
ジワッと脂がしみ出てきた所で皿に盛り付け、骨ぺっぺと出しながらしゃぶり食う。
こういうのには焼酎のお湯割りがあうねえ。

2007年12月4日火曜日

子持ち鮎の杉板焼き




薄い杉板に何やらが挟み込んで焼かれている。
上には米のバクダンが数個。
横には橙と竃で焼かれた芋。
経木の紐をほどいて開けたら、たっぷり太った子持ち鮎。
尻尾側を持って、卵ではち切れそうになった胴をガブリ。
杉の香りがやんわりついた鮎は、熟度最高。
仕上げの御飯は、松茸のスライスが炊き込まれ、カラスミが一切れ。
カラスミを半分に切って、ちょっとの御飯の上に載せてパクッ。
松茸のスライスで御飯を巻いてポクッ。

2007年12月3日月曜日

玉川上水の狸(たぬき)




いつものウオーキングコースに「このあいだの狸を探しに」といって出た。

家の裏から玉川上水に出て東に向かい、遊歩道が終わる久我山の手前でUターンし、ジブリの森公園の裏を通って井の頭公園に入り、井の頭公園駅の手前から家に帰る、1時間半、6キロ、1万歩コース。

1週間ほど前、いつものコースを歩いていたら、久我山の手前で小さな子供を自転車に乗せたお父さんが2匹の大きな黒っぽい猫を珍しそうに見ている。
何が珍しいのかと近づいたら、猫ではなく狸だった。
以前家内が家の近くで「狸らしいのがいた」と言っていたが、本当にいるんだ。
二匹の狸は、親子なんだか兄弟なんだか、歩道に半分出た所で人を見たりお互い舐めあったりしている。
背中の毛がだいぶ抜けている。
栄養が悪いのか、病気なんだか、痛々しい感じ。
腹減って出て来たのだろうか。

暖かい陽の中、落ち葉かさかささせながらせっせと歩いていくと体ぽかぽか、汗がじんわり出てきて気持ちがいい。
所々にある紅葉は真っ赤で、紅葉最高潮。
しかし、残念ながら狸は出なかった。
これから寒くなるのに、あの狸達、どうするのかな? 大丈夫かな? 冬越せるかな?

とをたたく
たぬき と
あきを
おしみ けり
     蕪村句

家に帰って娘に狸の話をしたら「いるよー」と、当たり前のように言っていた。